海外化粧品の販売前に成分分析が大事な理由とは?
海外メーカーから成分表をもらって、日本で使用されている成分である事は確認したので、
すぐ輸入したい!とご依頼を受ける事がございます。
成分分析を実際に行って、輸入が困難なケースが多くございます。
また逆に他者様から20万円近い見積書を頂いたが、これもっと安くならないというご相談も多く頂きます。製品によっては、半分にも3分の1にもなるのではないでしょうか?
この記事は、みんなの「成分分析がなぜ必要か?」の疑問を解決するために、成分分析のポイントをお話しします。
この記事は以下のような方におすすめです!
- 成分分析の必要性を知りたい
- 成分分析の種類を知りたい
- 製品の特性により注意するポイントを知りたい
目次
成分分析とは?
化粧品の製造工程や原料に成分表に記載されていない成分が混入してしまう事や
期待していた効果や性能が発揮されない事があります。
エンドユーザー様に安心して御社の化粧品をお使い頂き
また、長きに渡り御社のファンでいてもらうために、
販売前に専門の機械を用いて、しっかり配合成分を確認する義務があると考えております。
化粧品で実施される試験はいくつかございます。
pHや粘性などの物性テスト、抗シワ試験や紫外線SPFなどのような効能テスト、パッチテストのような安全性テストなど様々ありますが、
本記事では、特に配合成分の配合量を調べる定量試験についてお話します。
成分の定量分析の必要性は?
各国で配合上限が異なる場合や成分表と値がぶれる事もあり
配合量の上限が決まっている成分に対しては、しっかりその成分が上限を守れているかを確認します。
注意が必要なのは、成分表に表示されていない成分が含まれる可能性が大いにある点です。
ホルムアルデヒドやメタノールといった配合禁止成分が原材料へ混入したり容器に残留することにより検出されることは珍しくないのが現状です。
手順
まず、メーカーより提供された成分表を確認し、配合上限のある成分の配合有無を確認します。
次に、後でお伝えする製品の特性を確認して検査項目の追加検討を行う。
成分表を見た時に、保存料が全く配合されていない成分表だとしたら、皆様はどう思うでしょうか?
私はの場合は、「本当に?」と考えてしまいます。
そのような場合は、保存料が本当に含まれていない確認する事を検討します。
製品特性により分析内容は異なる
ここからは、製品の特性により検討する試験をご紹介します。
色味のある製品
成分表に青〇号や赤〇号と記載されている見たことはあるでしょうか。
これらはタール色素と呼ばれる成分です。
赤40のように食品添加物としては使用できても、化粧品としての使用が認められていない色素もあるので注意が必要です。
赤色に着色された製品はこの赤40の混入も確認するのをおすすめします。
中には、成分表にタール色素が含まれておらず、「タール色素不使用」を謳っている製品もありますが、
本当にタール色素が含まれていないか確認するのも大事かと思います。
グリコール酸
グリコール酸は平成28年7月より、3.6%を超 えてグリコール酸が含有されている化粧品は劇物となりました。
劇物に指定されたものを、製造、輸入、販売、授与、運搬などを行う場合は、行政への 登録が必要とされておりますので、化粧品として販売するのは不可になります。
劇物で無い事を確認するために、事前にしっかり確認する事が必要です。
アルコール含有量が多い製品
エタノールや変性アルコールなどが成分表の上位に記載されているなど、
アルコールを多く含有する製品はメタノールなどの配合禁止成分の混入有無を確認するのをおすすめします。
アスリート向け製品
アスリートの方はドーピング検査を定期的に受けられております。
もし、アスリートをターゲットとした製品の販売をご検討している場合は、ドーピング薬物の混入有無を確認しましょう。
まとめ
本記事では「海外化粧品の販売前に成分分析が大事な理由」をいくつか事例を交えてご説明させて頂きました。
最後にこの記事の要点をまとめてみましょう。
- 各国で配合上限が異なる場合や成分表と値がぶれる事がある
- 化粧品の製造工程や原料に成分表に記載されていない成分が混入する可能性がある
- 製品特性により分析内容は異なる
化粧品の輸入は弊社のような専門業者に任せて、マーケティングや販売強化に専念してみてはいかがでしょうか。