他社の化粧品回収事例から学ぶ!注意すべきポイントとは?
ニュースでよく見かける化粧品の回収情報。
本当に毎月多数の会社様が回収を実施しております。
軽微なモノから重篤なモノまで様々あり 被害拡大を防ぐためにはとても大事な対応ですが
できれば回収を行う事態は未然に防ぎたいと誰しもが思うはず。
この記事では、他社化粧品の回収事例から回収リスクのポイントを正しく理解し
自社の品質管理体制を見直し、製品回収を未然に防ぐポイントをお話します。
この記事は以下のような方におすすめです!
- どんなケースで化粧品回収が発生するか理解したい
- 化粧品の回収を未然に防ぎたい
- これから化粧品輸入販売を検討している
- 化粧品の販売に不安を感じる方
目次
自主回収が必要な理由とは?
人々の健康や安全に直接的な影響を及ぼす可能性がある製品は、自主回収が行われます。
製品の問題を早期に発見し、ユーザーに対して安全性や品質を確保するための重要な手段として、
下記のようなケースで実際されます。
製造時の不良
仕様と異なる成分の充填ミス、パッケージの印刷ミス、製造ラインにおける異物の混入等が該当します。
クリームの容器に間違って洗い流しの必要な製品が充填されたり、
製造ラインの金属片が混入したりするニュースを耳にするとぞっとしますね。
後発的に製品不良が発覚した場合
販売後の製品で時間の経過とともに内容成分の変性や容器の劣化等が発見された場合が該当します。
保存料が適切に機能せず、カビや細菌が発生したりすることもありますし、
内容物との相性が悪く、容器が破損する事もあります。
安全性に関する問題が発生した場合
医療機器、医薬品や化粧品では、法令や規制に従い、自主回収が行われる業界であると言えるかもしれません。
ユーザーに安心して製品を安心して使用してもらうために、
法令で製品に記載しなくてはいけない情報が決められています。
情報の欠如や誤表記がある場合など、ユーザーに対して適切な安全情報が提供できなかった場合、回収の対象になります。
しかし、回収=不良という事実のみに目が行きがちですが、メーカーが製品の問題を早期に発見し、
消費者に対して販売責任を果たす取り組みであるため、
積極的に対処る姿勢を示す事で、企業の評判やブランド力を高めるとも言えるかもしれません。
回収の7割は表示エラー
独立行政法人医薬品医療機器総合機構の公表したデータ「回収情報22年【クラス2・クラス3】」によると
化粧品の回収原因の約7割が表示エラーがほとんどであるという事が分かる。
毎年、細かな数字に違いはあるものの、回収理由の傾向は同じであると思われる。
クラス2: 32件/51件
クラス3: 17件/16件
参照:独立行政法人医薬品医療機器総合機構
今回は表示エラーの中でも特に多いエラーを3点ご紹介します。
原因1:成分表示
多く見られたのが、全成分表示に関する不備です。
化粧品では、配合されている全成分を配合順の多い順に記載しなくてはいけないといったルールがあります。
1部成分の表示モレや誤字。植物由来成分の部位(葉なのか花なのか)が違った。
中には、翻訳ソフトで全く異なる名前で記載しているケースもありました。
原因2:販売名
化粧品を販売する際には行政に化粧品製造販売届(販売届)を提出する必要があります。
回収理由で多く見られたのが届けていた販売名称と異なる名称を製品に記載してしまい販売してしまった。
または、別の製品の名前を誤って記載してしまったなどがありました。
原因3:製造販売元の住所
製造販売元の名称と住所を記載する必要がありますが、
住所表記として、「主たる機能を有する事務所の所在地」ではなく、「登記簿上の本店所在地」を誤って記載しているケースが見られました。
【その他】医薬品に該当する成分やパッケージに注意
※事例は沢山ございますが、一例をご紹介しております。
医薬品成分
パチョリは香料としては配合可能でも、それ以外の目的で配合する事はできません。
他にもよく耳にするコエンザイムQ10やユビデカレノンなどと呼称される医薬品成分。
「粘膜に使用されることがある化粧品」に対して配合不可とされておりますので、
リップに配合してしまい、回収に至るケースもありました。
医薬品を連想させるパッケージ
容器の形状が医薬品を連想させるアンプルである事を理由に回収に至るケースもありました。
表示だけでなく、パッケージも今後しっかり確認していきたいですね。
表示エラーを未然に防ぐために
化粧品では表示エラーによる回収が多い傾向にあるとお伝えしましたが、
直ぐにできる防止策をお伝えします。
法定表示確認表を作成し校正の徹底
チェックリストを作成して一項目ずつ丁寧に確認作業をするしかありません。
その際に、確認した事実を後で確認できるようにチェックリストを作成するのが良いです。
もちろん、この過程で間違い易い「登録販売名」と「成分」もしっかり確認します。
現物確認の徹底
海外メーカーが成分のマイナーチェンジを行っている可能性もあります。
これは現物の英語表記を仕様と見比べるのが有効です。
成分以外にも、現物を確認することで、容量の記載間違いなども防げます。
製造後の表示をダブルチェック
製造後に表示を再度確認します。
これにより、他の製品に間違って違う製品のラベルを貼付してしまう間違いが防止できます。
他にも、有効な方法は沢山ありますが、
今すぐできる方法をご紹介しました。
まとめ
本記事では「他社の化粧品回収事例を基に注意点」をご説明させて頂きました。
最後にこの記事の要点をまとめてみましょう。
- 化粧品の回収は表示エラーが多くを占め、言い換えれば、しっかり見直しを行えれば防ぐ事ができる問題
- 医薬品に該当する成分やパッケージにも注意が必要
- すぐにできる対策としては、現物確認の徹底、法定表示確認表を用いた校正レベルの向上、市場に出る前にダブルチェックの機会を設ける
それでも、心配の方は品質管理を外注してみてはいかがでしょうか?
化粧品の輸入は弊社のような専門業者に任せて、マーケティングや販売強化に専念してみてはいかがでしょうか。